これからの季節に流行しそうな病気にノロウイルスによる感染症があります。
目次
ノロウイルスとは何だろう?
小型球型ウイルスといわれたウイルスの1つ、ノロウイルスによる胃腸炎症状を主症状とする病気です。
2002年に命名されてから、学校や老人施設での集団感染や食中毒で有名になりましたが、昔からある代表的な感染症の胃腸炎です。
ノロウイルスにかかりやすい年齢とは?
すべての年齢で感染発症が認められていますが、幼児や高齢者などで感染への抵抗力の弱い人では症状が重くなることがあります。
ノロウイルスの流行する季節
ノロウイルスは、1年中どの季節でも発症する患者さんはいらっしゃいますが、特に冬(11月〜2月)に多く流行します。
ノロウイルスの症状とは
1〜2日の潜伏期間のあと、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が単独、または重なって認められ、ときに発熱をともなうこともあります。
健康な人では多くが軽症で回復します。幼児や高齢者では、症状が重くなることがあり、脱水や誤嚥への注意が必要です。
ノロウイルスの検査と診断
ノロウイルスは、糞便にて迅速診断キットで検査可能です。検査時間は、10〜15分くらいです。
※3歳未満、65歳以上の方で健康保健が適用されています。
ノロウイルスの治療
特効薬はなく、適切な水分補給を中心とした食事療法が治療の中心です。吐き気が強い時は少しずつイオン飲料や経口補水液などを与え、嘔吐が治ったらお粥、スープなどの柔らかいものを与えます。
整腸薬や、腹痛や発熱に対する対処療法が行われることがあります。
ノロウイルスへの予防
ワクチンによる予防法はありません。ノロウイルスは糞便や吐物などの付着した手指や、ウイルスに汚染された食品を介して経口感染するため、手洗い、食品の加熱などが重要となります。また、吐物や排泄物で汚染された衣服や床などは次亜塩素酸系の洗剤が有効です。色落ちに注意してから使用をお勧めします。
ノロウイルスに日常生活で気をつけること
ノロウイルスは、二枚貝を喫食することによって感染することが分かっています。
二枚貝は海水中のプランクトンを栄養として生きています。その際に海水中にいるノロウイルスを二枚貝は、意図せず保有してしまっているのです。
家庭で二枚貝を喫食する際は、85℃〜90℃で90秒間以上を目安にして加熱してください。
飲食店でも、生の牡蠣などの注文は避けるようにしましょう。