自己免疫性肝炎とは、たんぱく質や脂肪、糖の代謝や解毒作用などを担う肝細胞に対する自己免疫反応によって引き起こされる病気です。
40〜50歳の女性に好発し、慢性に経過する肝炎になります。
自己免疫性肝炎の診断
急性肝炎で発症する人や、健康診断の結果で肝機能異常を指摘されて初めて見つかる慢性肝炎の人もいます。
ときに劇症肝炎として発症し、危険な状態になる場合もあるので注意が必要です。
自己免疫性肝炎の検査
血液検査で、AST、ALTの値が上昇します。
B型肝炎やC型肝炎を否定するために、それぞれのウイルス検査をして陰性である確認をします。
自己免疫性肝炎の場合は、抗核抗体が陽性であったり、抗平滑筋抗体、肝腎マイクロゾーム抗体などの自己抗体と呼ばれるものが陽性となります。
γグロブリンあるいはIgGが2000mg/dl以上になることもあります。
ただし、急性発症の自己免疫性肝炎の場合には、抗核抗体が陰性であったり、IgGが低値の場合もあるので注意が必要です。
自己免疫性肝炎の治療
自己免疫性肝炎の治療は、副腎皮質ホルモン剤などがよく効きます。
薬の量を減らしたり、中止したりすると再燃する場合もあるので自己判断はせずに肝臓の専門医と相談しましょう。
自己免疫性肝炎の症状
急性肝炎で発症したり急性憎悪をきたすと、だるさや食欲不振、黄疸、むくみなどがみられます。
慢性肝炎の経過をたどる場合、肝硬変に至るまで特徴的な症状はありません。
肝硬変になると、食道静脈瘤や腹水、黄疸などが現れてきます。
他の自己免疫性疾患である膠原病や慢性甲状腺、関節リウマチなどを合併することも少なくありません。
自己免疫性肝炎と言われたら日常生活では
薬物治療によって安定している場合には、日常生活を制限する必要はありません。
バランスのよい食生活と適度な運動が勧められます。過激な運動は、避けたほうがよいと考えられます。
過度の肥満は、肝臓に脂肪がたまるので注意しましょう。