からだの外からくる化学物質などが皮膚について、かゆみや痛みを伴って赤く腫れたり、ぶつぶつや水ぶくれができたりする皮膚の病気をいいます。
・刺激性接触皮膚炎：刺激物質が皮膚について皮膚炎がおこります。
・アレルギー性接触皮膚炎：皮膚につくとアレルギーをおこして湿疹になります。
・接触蕁麻疹：物質が皮膚について約30分でかゆみとみみず腫れをおこします。
・光毒性接触皮膚炎：皮膚についた物質に光があたってはじめて皮膚に反応がおこります。
・光アレルギー性接触皮膚炎：皮膚に光があたるだけでアレルギーがおこります。
接触性皮膚炎がおこる原因
刺激性接触皮膚炎の原因物質としては、
塩酸などの強酸と、水酸化ナトリウムなどの強アルカリがあります。
また、脱毛クリームやパーマ液なども、使用方法をあやまり、傷んだ皮膚に長時間つけたままでいると刺激性接触皮膚炎をおこします。
頻繁に石けんで手洗いをして脱脂を繰り返すと、皮膚のバリア機能が低下して刺激性接触皮膚炎をおこすことがあります。
アレルギー性接触皮膚炎は、あらゆる物にでもおこる可能性があります。
よくおこす物には、ピアスや腕時計にメガネなどの金属、漆、毛染め剤、抗生物質のフラジオマイシンや香料などがあります。
光毒性接触皮膚炎をおこす有名な物質に、オレンジに含まれるベルガモット油があります。光アレルギー性接触皮膚炎は、貼り薬や鎮痛効果のある外用薬に含まれる紫外線吸収剤などによってまれにおこります。
接触蕁麻疹のうち、アレルギーでおこるものには、蕁麻疹と、喘息のような息苦しさ、血圧低下などのショック症状をおこす場合もあり、緊急処置が必要です。
ゴム手袋などのゴム製品に含まれるラテックスたんぱく、魚介類や野菜、医療で使用する消毒液などが原因となることが分かっています。
接触皮膚炎の治療
接触皮膚炎がおこった状況を詳しく調べ、皮膚のどの部位にどんな病変があるかをみて原因物質を考え、パッチテストやプリックテストで確認します。治療はそのうえで行われます。
※パッチテストとは、かぶれや薬剤アレルギーなどの遅延型アレルギーの原因を探る検査です（原因として疑わしい試料を直接皮膚に貼り、数日後に判定します）。
※プリックテストとは、即時型アレルギーに対しての検査です（プリック針でアレルゲンを少量皮膚に入れ、15分後に出現した膨疹径を測定します）。
原則として、原因物質と接触しないようにします。たとえば化粧品でかぶれている場合は、症状が治まり、原因となった化粧品がわかり、かわりに使用できる化粧品がパッチテストで確認できるまでは使用をやめます。
症状を抑えるため、部位に応じてステロイドを使い分けます。かゆみや炎症が強い場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します。重症の場合は、ステロイドの数日間の内服が必要な場合もあります。接触蕁麻疹の重症例では、医師の緊急処置と全身管理が必要になることがあります。刺激性接触皮膚炎は、化学物質や医薬部外品などの使用説明書や注意書きをよく読むことで予防できます。