認知症は、年々増加傾向にあります。
内閣府の発表では、2012年の65歳以上で認知症の患者さんは462万人と、高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)であったが、2025年には約5人に1人なるとの推計だということです。
例えば、300戸のマンションに1件ずつ高齢者が住まわれていると仮定すると、その内60戸には認知症の方が住まわれていることになります。
認知症と脂質代謝異常症
認知症の多くの発症する原因は、未だに解明されてはいませんが。
脳血管性認知症は、脂質異常症の持病がある方がない方と比べると発症率が高いことがわかっています。
脂質異常症は動脈硬化へと繋がります。脳内には、大小様々な血管があります。その血管が動脈硬化のために血液の流れが悪くなると思考などの様々なところに影響がでてきます。
脳血管性認知症は、脳の血流が悪くなることで発症する認知症といわれています。
認知症と動脈硬化
動脈硬化を予防することで、認知症の予防も可能となります。
イギリスでは、認知症が減少したという報告があります。イギリスの主食は、パンですがそのパンの塩分量を医学や栄養学を専門とする科学者によって組織されたCASH(Consensus Action Salt and Health 塩と健康に関する国民会議)という団体が徐々に減塩していったそうです。
その効果があり、イギリスでは心疾患や脳血管疾患の死亡率が下がり、年間6千人の命を救った計算になるみたいです。
主な認知症とは…
・アルツハイマー型認知症(AD)
認知症の中では最も多くを占めるものです。症状としては、もの忘れが次第に激しくなり、日付や場所がわからなくなる。料理や買い物ができなくなる、絵が描けなくなるなどの認知障害を伴います。
原因としては、脳内のアミロイドβと呼ばれる異常なタンパク質が蓄積して脳の神経細胞が死滅し、脳の萎縮を進行させて記憶を司る海馬を中心にゆっくりと侵していくためです。
・脳血管性認知症(VaD)
脳血管性認知症は、認知症の2割を占めるであります。症状としては、多くは急性に発症し、脳血管障害が起こった部位の認知機能が失われるので、いわゆる「まだらボケ」が多く、歩行障害、手足の麻痺、言語障害を伴うことがあります。
原因としては、脳梗塞や脳内出血で脳の一部に、酸素や栄養素がいきわたらなくなることで組織が壊死し、その結果認知症が発症します。
・レビー小体型認知症(DLB)
上記2つの認知症に次いで多い認知症です。初期から歩行障害などのパーキンソン症状があります。幻想や妄想が起きやすいです。
原因としては、αシヌクレインというタンパク質が凝集してレビー小体となり、それが蓄積して起こります。
・前頭側頭型認知症
症状としては、人格や行動が大きく変化していき、痴漢や万引きなどで通報、逮捕されたりすることがあります。また、運動障害、失語症、認知機能障害などもみられます。
原因としては、大脳の前頭葉や側頭葉において萎縮がみられます。
軽度認知障害なら食い止められる
私たちの体には、脳内にアミロイドβが過剰に蓄積しないように、脳内から排除したり毒性を弱めたりする仕組みが備わっています。
アルツハイマー病は、20年間かけてアミロイドβを蓄積されて発症されます。
軽度認知障害がわかった時点で、生活習慣を見直すことによって健常な認知機能が保たれることがわかってきています。
適度な運動は、脳に血流を増やし、神経細胞を保護し、神経再生物質の分泌を促進したりする効果があるという報告があります。
認知症の危険因子
・老化
・運動不足
・肥満
・糖尿病
・喫煙
・不適切な食生活
・高血圧
認知症の予防に働く因子
・運動習慣
・趣味活動
・社会参加
・ビタミンE・Cが豊富な食品
・魚
・緑黄色野菜
・30分以下の昼寝
質の高い睡眠が認知症への対抗策
アルツハイマー病で蓄積されるアミロイドβタンパクは、睡眠を取った後に低下することがわかっています。
高齢になると体内時計が乱れて睡眠の質が低下してしまいます。
睡眠のためには、日中に太陽の光を浴びてセロトニンというホルモンが沢山分泌されることにより、夜になったらメラトニンが分泌されるようにしなくてはいけません。
また、深い睡眠の際に分泌される成長ホルモンは認知機能と深く関わっています。
シナプソロジーで認知機能がアップ
シナプソロジーは簡単な基本動作にプラスして数を数えることによって認知機能に刺激を与えて脳を活性化させることをいいます。方法は、上記以外にも相違じゃんけんといいものもあります。
相違じゃんけん:2人1組みになって、掛け声を出して後出しじゃんけんをしてわざとに勝つとかわざとに負けるなどを意識的におこないます。
認知症を防いで健康寿命を伸ばしましょう!