トレポネーマパリダムという細菌の感染でおこる病気です。主に性行為で感染する代表的な病気です。この病原体は皮膚や粘膜から進入し、血液を介して全身に広がり、いろいろな症状をおこす慢性の感染症です。
症状
症状が現れたり消えたりしながらゆっくり進行する病気で、梅毒は第1期から第4期に分けられています。
認知症や進行性まひ、起立障害をおこします。心臓や大血管の障害もおこります。
検査と診断
カルジオリピンを抗原として行う、ガラス板法とRPR法とトレポネーマパリダムを抗原として行うTPHA法あるいはFTA-ABS法とを組み合わせて診断し、病期の判定の判断に使用します。
※感染後4週間はこれらの検査は陽性にならないので、適切な時期に再検査が必要です。カルジオリピンを抗原とする検査は治療効果の判定に利用できます。しかし、梅毒以外の病気でも陽性になることがあります。さらにTPHA法あるいはFTA-ABS法は、治療によって梅毒が完治しても、陰性になることはありません。
治療
細菌を死滅させる効果があり、現在までに耐性の報告のないペニシリンを第1に使います。
第1期では、2〜4週間、2期では4〜8週間、3期以降では8〜12週間連続して治療を行います。
神経梅毒の場合は、ベンジルペニシリンカリウムの点滴で10〜14日間使います。臨床症状のない梅毒では、ガラス板法ないしRPR法が16倍以上を示す場合に治療を行います。
※医師が判断します。
日常生活の注意
治療を開始すると数時間でトレポネーマパリダムが破壊されるため、発熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛、発疹などの症状が出ます。これはヤーリッシュ・ヘルクスハイマー現象と呼ばれ、治療薬の副作用ではありません。すぐににこれらの症状は改善しますので、治療はつづけられます。梅毒の再感染はガラス板法ないしRPR法が8倍以下になるとおこるので、再び感染しないよう注意が必要です。
国立感染症研究所の報告
2018年第1〜2四半期においては、人口100万当たり届出数が都道府県別最多であった。年齢分布では、男性は依然として20代〜40代の幅広い年齢層から届けられており、女性は20代前半に多かったそうです。
※東京都感染症情報センターより
厚生労働省の梅毒に関するQ &Aより 予防
Q どのようにすれば感染を予防できますか?
A 感染部位と粘膜や皮膚が直接接触しないように、コンドームを使用することが勧められます。ただし、コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームを使用しても、100%予防できるとは過信せず、皮膚や粘膜に異常があった場合は性的な接触を控え、早めに医療機関を受診して相談しましょう。
みなさん気をつけましょう!健康第一です!