原発性胆汁性肝硬変 (PBC)

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原発性胆汁性肝硬変って聞いたことありますか?

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原発性胆汁性肝硬変とは

肝臓内にある直径40〜80μm程度の中等大胆管が自己免疫によって徐々に破壊され、胆汁の流れが悪くなり、最終的に肝硬変に至る原因不明の病気です。

原発性胆汁性肝硬変とわかる時

肝硬変に至る前に診断される例がほとんどで、中年以降の女性に多く、90%が女性です。

母娘間や姉妹間が関係していると考えられています。

健康診断などで肝機能異常を指摘された人に、無症候性原発性胆汁性肝硬変と診断される人が増えています。

不健康な肝臓

原発性胆汁性肝硬変が進行すると

無症候性原発性胆汁性肝硬変と診断された一部の人が、かゆみや黄疸などをともなう症候性に進行します。

症候性原発性胆汁性肝硬変は、無治療で放置されると、肝硬変に進み、肝不全に至ります。

原発性胆汁性肝硬変の治療法は

残念ながら根治療法は、確立されていません。

病気の進行を抑制する薬を飲みながら、経過をみていきます。

原発性胆汁性肝硬変と診断された人は、肝臓の専門医を受診して、治療と検査を続けていくことが大切です。

肝臓病専門医

一覧から検索できます。

原発性胆汁性肝硬変の症状

肝内の胆管が障害され、胆汁が滞るため、胆汁うっ滞にともなう皮膚のかゆみが現れてきます。

血液中のコレステロール値が高くなり、黄色種が見られる人もいます。うっ滞が進むと、肝硬変に至る前に黄疸が現れてきます。

また、胆汁は脂溶性ビタミンの吸収に重要な役割をはたすため、うっ滞によってビタミンDなどが欠乏し、骨粗鬆症が進むことがあります。

肝硬変に進行すると腹水や肝性脳症などがみられるようになります。胆管のえんしょうが近接する門脈周囲に波及し、肝硬変になる前から門脈圧が高まり、門脈圧亢進症として食道静脈瘤が発達してしまう例が少なくありません。そして、食道静脈瘤が破裂してしまい吐血して亡くなってしまうケースも以前は多くみられました。

定期的に内視鏡検査を受けて、食道静脈瘤の有無の確認や食道静脈瘤の程度の評価をしてもらいましょう。

今では、適切な治療を受けることにより、食道静脈瘤のコントロールが可能です。

無症候性では皮膚掻痒感や黄疸などをともなわず、多くは症候性に進まず、経過も良好ですが、どのような例が症候性になっていくのか、無症候性のまま経過するのかわかっていません。

自己免疫性肝炎と同様、関節リウマチやシェーグレン症候群などの他の自己免疫疾患を合併することも少なくありません。

また、肝硬変へとなってしまうと肝臓がんができてしまうリスクもあります。

原発性胆汁性肝硬変の検査と診断

胆管が障害されるため、胆道系酵素と呼ばれるアルカリホスファターゼ、γーGTPなどが上昇し、胆石などが画像検査で否定されたばあいに本疾患を疑い、抗ミトコンドリア抗体を測定し、陽性であれば本疾患である可能性がきわめて高くなります。

その場合、確定診断のため肝生検を考慮することになります。

原発性胆汁性肝硬変と言われたら日常生活の注意

胆汁分泌が不良で、脂質異常症をともなうことも多いので、脂質異常症に準じた脂肪分を控えた食生活が勧められます。骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムなどのミネラルの摂取が勧められます。肝機能が保たれていれば、日常生活を制限する必要はありません。骨塩量を保つためにも適度な運動が勧められます。

肝臓病専門医がいる医療機関に受診することを強くお勧めいたします。正しい治療を受けて、より良い生活を過ごして生きたいですよね。

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